なぜ肩幅が重要なのか
肩幅は後からの調整が最も困難で、ここが合わないとスーツ全体のバランスが崩れます。どのテーラーでも言われる”肩で8割が決まる”のです。
正しい肩幅の見極め方
- 肩の頂点から袖付け線が1.5-2cm程度外に出る
- 肩パッドの盛り上がりが自然
- 腕を前後に動かしても突っ張らない
- 肩甲骨周りにシワが寄らない
第二の重要ポイント:「胸回り(チェスト)」
適切な胸回りのチェック法
- ボタンを留めた状態で、胸とジャケットの間に握りこぶし1個分の余裕
- 深呼吸しても窮屈感がない
- 座った時にボタンが引っ張られない
- 腕を組んでも背中が突っ張らない
よくある失敗例 多くの方が「スリムに見せたい」と思い、胸回りをタイトにし過ぎます。これは逆効果で、シワが寄って不格好になります。
第三のポイント:「着丈」
現代の着丈トレンド
従来の「手を下ろした時の中指第二関節」ルールは古くなっています。現在は:
- ヒップラインを完全に隠す長さ
- お尻の一番膨らんだ部分から2-3cm下
- 体型によって微調整が必要
体型別着丈調整
- 長身の方:やや長めでバランス調整
- 短身の方:やや短めで脚長効果
- ぽっちゃり体型:適度な長さで腰回りをカバー
パンツサイズの重要ポイント
1. ウエスト位置
最も見落とされがちな要素
- 腰骨の上、へその下あたりが理想
- ベルトに頼らず、パンツ自体でフィット
- 座った時に腰回りが苦しくない
2. 股上の深さ
現代的な股上バランス
- 深すぎず、浅すぎず
- 座った時の快適性重視
- シャツがはみ出ない適度な深さ
3. 裾丈
トレンドを意識した裾処理
- ノークッション:裾が靴に触れるか触れないか
- ハーフクッション:軽く靴に乗る程度
- ワンクッション:従来型、やや保守的
袖丈の黄金ルール
シャツとのバランス
- ジャケット袖からシャツが1-1.5cm見える
- 手首の骨の上あたりでジャケット袖が終わる
- 腕を下ろした自然な状態で測定
体型別の重要ポイント
標準体型
- 基本ルール通りで問題なし
- 全体のバランスを重視
やせ型
- 肩幅でボリューム感を演出
- 胸回りに適度なゆとり
- 縦のラインを強調し過ぎない
ぽっちゃり型
- 肩幅をすっきりと
- 胸回りは窮屈にしない
- ウエストの絞りで縦ラインを強調
筋肉質
- 肩周りに十分な余裕
- 胸筋に合わせた胸回り調整
- 太ももに余裕のあるパンツ
サイズ選びでよくある間違い
1. 「ピッタリ=格好良い」の錯覚
タイトすぎるスーツは動きにくく、シワも寄りやすい。適度なゆとりこそが上品さを演出します。
2. 既製品サイズの思い込み
「いつもLサイズ」という固定観念は危険。ブランドによってサイズ感は大きく異なります。
3. 体型変化の無視
購入時から体重が増減している場合、以前のサイズは参考になりません。
プロが教える最終チェックポイント
動作確認
- 腕を大きく回す
- 深くお辞儀をする
- 椅子に座って足を組む
- 歩いてみる
鏡での確認角度
- 正面だけでなく横から、後ろからもチェック
- 少し離れた距離からの全体バランス
- 自然光での色味確認
時間を置いての再確認
試着直後の印象と、少し時間を置いた印象は異なることがあります。
オーダースーツならではの利点
既製品では限界のあるサイズ調整も、オーダーなら:
- 肩幅の微細調整
- 体型の癖への対応
- 姿勢補正
- 非対称体型への対応
まとめ
スーツのサイズで最も重要なのは「肩幅」「胸回り」「着丈」の3点です。これらが正しく合っていれば、他の部分は調整可能です。
ただし、数値だけでなく「着心地」「動きやすさ」「見た目の美しさ」の3つのバランスが取れていることが何より大切です。
良いスーツは着ていることを忘れるほど自然で、かつ見る人に好印象を与えるもの。サイズ選びはその第一歩なのです。
札幌のオーダースーツRoiRenardではマシンフルオーダーメイドを活用し、イージーオーダーやパターンオーダーとまた違った個人個人に合わせたサイズ感、それに伴った着心地の良さの提供ができます。
サイズ選びやご自身の体型からスーツ選びに悩んだ際は一度連絡お待ちしております。