北海道は本州とは全く異なる気候特性を持ち、スーツ選びにも特別な配慮が必要です。北海道で快適に過ごせるスーツの選び方をご紹介します。
北海道の気候特性を理解する
他地域との決定的な違い
冬の特徴(11月〜3月)
- 外気温:マイナス5度〜マイナス15度(1月・2月)
- 室内温度:22度〜24度(暖房が非常に効いている)
- 湿度:低い(乾燥している)
- 雪:根雪で常に積雪状態
重要なポイント 北海道の冬は「外は極寒、室内は東京の初夏並み」という極端な温度差が最大の特徴です。本州の冬スーツの感覚では対応できません。
春・秋の特徴(4月・10月)
- 朝晩:0度〜5度
- 日中:10度〜15度
- 寒暖差が激しく、1日で10度以上変わることも
夏の特徴(6月〜8月)
- 気温:20度〜25度(札幌)
- 湿度:本州より低く爽やか
- 冷房:本州ほど強くない
- 北海道の夏は本州の初秋の気候
季節別スーツ選び
冬季(11月〜3月)のスーツ
生地選びの鉄則
絶対にNGな選択 ❌ 厚手のフランネル素材 ❌ ツイード素材 ❌ 裏地付きの重厚なスーツ
理由 室内が非常に暖かいため、厚手のスーツでは汗だくになります。本州の冬用スーツは暑すぎて使えません。
おすすめの生地
1. 薄手のウール(目付け240〜270g)
- 春秋用または軽めの秋冬用
- 通気性があり室内で快適
- 外ではコートで防寒
2. ウール×ポリエステル混紡
- 軽量で保温性もある
- シワになりにくい
- 雪で濡れても乾きやすい
3. トロピカルウール
- 意外ですが、薄手で通気性が良い
- 室内では快適
- ただし外での長時間移動には不向き
色の選び方
おすすめカラー
- ダークネイビー:雪の反射で明るく見えすぎない
- チャコールグレー:実用的で汚れも目立ちにくい
- ミッドグレー:春先にも使える
避けるべき色
- ライトグレー:雪との対比で汚れが目立つ
- ブラック:雪国では重すぎる印象
北海道冬スーツの着こなし術
レイヤリングの基本
- インナー:薄手のヒートテック(厚手は室内で暑い)
- ワイシャツ:通常の綿または形態安定シャツ
- スーツ:薄手〜中厚手
- コート:厚手のウールコートやダウン
重要な考え方 「スーツで防寒するのではなく、コートで防寒する」
移動時の工夫
車移動が主な場合
- さらに薄手のスーツでOK
- 車内は暖房が効いている
- 駐車場から建物まで数十秒の我慢
徒歩・公共交通機関の場合
- マフラー・手袋必携
- 厚手のコートは必須
- スーツは中厚手(目付け270g前後)
春・秋(4月・10月)のスーツ
気候の特徴
4月の北海道
- まだ寒い日が多い
- 朝晩は氷点下になることも
- 雪解けで足元が悪い
10月の北海道
- 初雪が降ることもある
- 暖房が入り始める時期
- 本州の12月並みの寒さ
おすすめスーツ
生地
- 目付け260〜290g
- スリーシーズン対応の万能生地
- ウール100%またはウール×ポリエステル
着こなし
- ベストを追加して3ピースに(温度調節しやすい)
- 薄手のセーターをインナーに
- スプリングコートを携帯
夏季(6月〜8月)のスーツ
北海道の夏の真実
多くの人が誤解していますが、北海道の夏は本州の初秋のような気候です。
気温データ
- 札幌の8月平均気温:22度
- 東京の8月平均気温:28度
- 6度も違う!
湿度
- 本州のジメジメした暑さはない
- カラッとして快適
- 冷房もそれほど強くない
おすすめスーツ
生地選び
1. 春秋用スーツ(目付け240〜260g)
- 薄すぎず厚すぎず最適
- 本州の夏用は薄すぎる
2. トロピカルウール
- 軽量で通気性が良い
- 朝晩の冷え込みにも対応
避けるべき生地 ❌ リネン混:カジュアルすぎる ❌ 超薄手のサマーウール:朝晩寒い ❌ ポリエステル100%:北海道には不要
夏の着こなしポイント
クールビズの扱い
- 北海道でもクールビズは普及
- ただし本州ほど徹底していない
- 初対面の商談ではジャケット着用が無難
持ち物
- 薄手のカーディガンやジャケットは必携
- 夕方以降の商談や会食で必要
- エアコンが効きすぎる場所もある
北海道特有の注意点
雪・雨対策
撥水加工は必須
- スーツに撥水スプレーをかける
- 雪が溶けた水分から守る
- 裾の汚れ防止にも効果的
パンツ丈の調整
- 通常より1cm短めがおすすめ
- 雪で裾が濡れるのを防ぐ
- ノークッション〜ハーフクッション
靴の選び方
冬季の靴選び
- 滑り止め加工されたビジネスシューズ
- ゴム底で防水性の高いもの
- 本革の高級靴は避ける(塩カルで傷む)
夏季の靴選び
- 通常のビジネスシューズでOK
- ただし突然の雨に備えて撥水加工
静電気対策
北海道の冬は非常に乾燥
- 静電気防止スプレー必携
- ポリエステル混紡は静電気が起きやすい
- ウール100%の方が快適
出張者向けワードローブ戦略
冬季出張(2泊3日)
持参するスーツ
- 薄手のスーツ1着(着ていく)
- 予備のパンツ1本
- ワイシャツ2〜3枚
アウター
- 厚手のウールコートまたはダウンコート
- マフラー、手袋
現地で調達できるもの
- カイロ(コンビニで入手可能)
- 滑り止めスプレー(靴屋で購入可能)
夏季出張
持参するスーツ
- 春秋用スーツ1着
- 予備ジャケット1着(軽めのもの)
- ワイシャツ2〜3枚
注意点
- 本州の真夏から行く場合、寒く感じる
- 羽織るものを1枚追加
地域別の特徴
札幌
特徴
- 大都市で暖房設備が充実
- 地下街が発達しており、外を歩く時間が少ない
- 薄手のスーツで十分
スーツ選び
- 本州並みの選択でほぼOK
- ただし冬は室内が暑いので注意
旭川・帯広
特徴
- 札幌より寒さが厳しい
- 冬はマイナス20度になることも
- 車移動が主体
スーツ選び
- 車移動なら薄手で問題なし
- 徒歩移動が多いなら中厚手
- コートは特に厚手のものを
函館
特徴
- 道南で比較的温暖
- 本州に近い気候
- 海が近く湿度がやや高い
スーツ選び
- 本州の冬用スーツも使える
- ただし室内は暖かいので調整必要
現地のビジネスマナー
服装に関する商習慣
冬季の特徴
- コートは建物に入る前に脱ぐのが基本
- 雪を払ってから入室
- 暖房が効いているので、室内ではジャケットを脱いでも失礼にならない場合が多い
夏季の特徴
- クールビズは浸透しているが、本州ほど徹底していない
- 初対面はジャケット着用が望ましい
- 既存顧客ならノージャケットでもOK
スーツ購入のおすすめ店
北海道で購入するメリット
現地のスーツ店は北海道の気候を熟知
- 丸井今井(札幌)
- 東急百貨店(札幌)
- 地元のテーラー
購入時に伝えるべきこと
- 「北海道で着用する」と明確に伝える
- 室内の暖かさを考慮した提案をしてもらえる
- 裾丈も北海道仕様で調整してもらえる
まとめ:北海道スーツ選びの鉄則
冬のポイント
- 薄手のスーツ+厚手のコートが基本
- 本州の冬用スーツは暑すぎる
- 室内は東京の初夏並みと心得る
- 撥水加工と滑り止め靴は必須
- 温度差が激しいのでレイヤリングで調整
夏のポイント
- 本州の夏用は薄すぎる
- 春秋用スーツが最適
- 朝晩の冷え込みに注意
- 羽織るものを1枚持参
年間通しての基本
北海道でのスーツ選びは「室内温度」を基準にする
外の寒さはコートで対応し、スーツそのものは室内での快適性を最優先に選ぶことが、北海道で成功するビジネスパーソンの秘訣です。この基本を押さえれば、北海道のどの季節でも快適にビジネス活動ができます。そんな小さな相談事もオーダースーツRoi Renardへ!
